OpenAIの現行モデルには、最高性能のGPT-6 Astra、性能と費用のバランスを取るGPT-5.6 Terra、大量処理向けのGPT-5.6 Lunaがあります。名前だけでは選びにくい3モデルを、用途とAPI料金から整理します。
30秒でわかる結論
- 複雑な調査、設計、コーディングはGPT-6 Astra
- 日常的な生成やエージェント処理はGPT-5.6 Terra
- 分類、抽出、短文生成など大量処理はGPT-5.6 Luna
- 最初にAstraで精度基準を作り、評価に合格できる工程だけTerraやLunaへ移す
- 価格だけで決めず、再試行を含む「合格1件あたりの費用」で選ぶ
3モデルの違い
| モデル | OpenAIの位置づけ | 入力料金 | 出力料金 | 向いている処理 |
|---|---|---|---|---|
| GPT-6 Astra | 最も高性能。困難な作業を端から端まで処理 | $10 / 100万トークン | $50 / 100万トークン | 複雑な推論、設計、ソフトウェア開発、重要な最終判断 |
| GPT-5.6 Terra | 知能と費用のバランス | $2 / 100万トークン | $12 / 100万トークン | 記事構成、通常の生成、複数ツールを使う日常業務 |
| GPT-5.6 Luna | 費用重視の大量処理向け | $0.20 / 100万トークン | $1.20 / 100万トークン | 分類、抽出、タグ付け、形式変換、短い要約 |
料金は2026年9月22日時点の標準API価格です。検索やコンピューター操作など、ツール固有の料金は別に発生する場合があります。
3モデルはいずれも、105万トークンのコンテキスト、最大12万8,000トークンの出力、テキストと画像の入力に対応します。Astraのreasoning effortはlow以上、TerraとLunaはnoneから設定できます。
GPT-6 Astraを選ぶ場面
Astraは、複数の資料と制約をまたぐ長い仕事に向きます。要件が曖昧なシステム設計、重要なコード変更、ブラウザや外部ツールを使う多段階の作業など、失敗時の手戻りが大きい工程に割り当てるのが合理的です。
1トークン当たりの価格は高いものの、難しい仕事で再試行や人間の修正が減るなら、タスク全体では安くなる可能性があります。OpenAIも、Astraは従来モデルより少ない出力トークンで強い結果を出し、タスク当たりの推定費用を抑えられる場合があると説明しています。
GPT-5.6 Terraを選ぶ場面
Terraは、品質を保ちながらAstraより費用を抑えたい標準モデルです。記事の下書き、既存データを使った比較、コードの小規模な修正、決められた手順でのツール操作など、日常業務の中心に置きやすい選択肢です。
最初からすべてをTerraへ任せるのではなく、Astraで作った正解例と評価基準に対して合格できるかを測ると、安全に置き換えられます。
GPT-5.6 Lunaを選ぶ場面
Lunaは、件数が多く、結果を機械的に検査できる処理に向きます。URLや文章の分類、JSONへの変換、キーワード抽出、重複候補の検出などです。
一方、複数の一次情報を統合する最終判断や、誤りの影響が大きい本文の確定を価格だけでLunaへ寄せるのは適切ではありません。必須項目、JSON Schema、根拠URL、禁止表現などを外部コードで検査し、不合格だけをTerraまたはAstraへ送ります。
費用を抑える実践的な割り当て
OpenAIのモデル選定ガイドは、まず最高性能モデルで目標精度を達成し、その後に安く速いモデルで精度を維持できるか試す順序を推奨しています。
記事制作なら、次の分担が現実的です。
- Lunaで一次情報から項目を抽出する
- Terraで構成と本文の初稿を作る
- コードで数値、URL、必須見出しを検査する
- 検査不合格や重要テーマだけAstraで再処理する
この構成では、Astraを全件に使わず、品質が必要な箇所へ集中できます。モデルIDと切り替え条件を設定表で管理すれば、料金や性能が変わってもワークフロー本体を直さずに更新できます。
選定時の注意点
API料金とChatGPTやCodexの契約料金は同じではありません。利用できるモデル、レート制限、請求方法は、接続方法、契約、ワークスペースによって異なる場合があります。運用前に自分の管理画面と公式料金表を確認してください。
また、モデル名を固定しただけでは品質は保証されません。代表的な入力と正解を評価データとして保存し、正確性、処理時間、再試行数、費用を同じ条件で比較する必要があります。
まとめ
Astra、Terra、Lunaは競合する一択ではなく、役割の違う3段階です。Astraで精度の上限と評価基準を作り、Terraを通常処理、Lunaを検査可能な大量処理へ割り当てます。精度を先に満たし、その後に費用と速度を最適化する順序が、品質と予算を両立しやすい設計です。
コメント